研究課題
本研究では、細菌にのみ感染し死滅させるバクテリオファージを使ったファージ療法ならびにワクチンデザインを主体としたファージワクチンの開発を行おうとするものである。ウマの緑膿菌性角膜炎に対するファージセラピーの応用研究において、本年度は以下の様な具体的研究成果を得た。野外から分離したファージの全ゲノム解析を行い、既報のファージゲノムとの比較解析を行った。ΦR18 とΦS12-1は、2本鎖の環状DNAであり、ファージ構築に重要なタンパク質や宿主細菌の膜成分を分解する溶菌酵素などの遺伝子を持っている事が確認出来た。その内容を論文公表した(Genome Announcement 2016 4 (3) )。今後、溶菌酵素遺伝子を利用して、大腸菌発現系などを用いて溶菌酵素を合成し、その効果を検証する予定である。また、イヌ疾患由来の緑膿菌に対してのファージの効果を検証し、キノロン耐性の緑膿菌に対しても溶菌効果が高いことを明らかにし、論文公表した( J. Vet. Med Sci. 2016 in press )。 今後、イヌ、ネコなどの伴侶動物への応用も視野に入れて行く予定である。ファージワクチン開発に関しては、マイコプラズマの重要な抗原部位についての組換えを行い、現在抗原の発現を確認中である。今後、生体内での免疫効果を検証する予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genome Announcements
巻: 4-3 ページ: 1-2
10.1128/genomeA.00041-16.
J Vet Med Sci.
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Vet Immunol Immunopathol.
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