加齢による筋萎縮(骨格筋減弱症)や筋再生が正常に進行しない筋ジストロフィーなどの筋疾患では、骨格筋内に通常みられない脂肪細胞が出現する。この脂肪細胞は生体恒常性の維持を担う骨格筋機能に大きな影響を与えることから、本研究ではその出現機序や病態生理学的意義を明らかにすることを目指した。その結果、骨格筋内脂肪細胞の起源とされる間葉系前駆細胞の分化制御を担う新規分子としてコンドロイチン硫酸プロテオグリカン4を同定することができた。また、ヒトの病態を極めて忠実に再現し、骨格筋内に脂肪蓄積を生じる新規筋ジストロフィーモデルラットの開発に成功した。
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