研究実績の概要 |
リプログラミング因子を導入したヒト、イヌ、ネコ、ウシ細胞を用いて実施した網羅的メタボローム解析の結果、iPS細胞誘導因子を導入したイヌ、ネコ細胞では、ヒト細胞に比べて強い酸化ストレスの影響を受けていることが明らかとなった。これらの結果を踏まえ抗酸化剤や低酸素培養の条件を加え、またiPS細胞作成に用いる導入遺伝子の精査、選択および、培養液の組成、サイトカイン等の添加物の精査、選択、さらにLIF、bFGF および3 つのinhibitor (GSK-3 阻害剤、MEK1 阻害剤、FGFR1 阻害剤)、さらにp53、MBD3 のsiRNA、OCT4, SOX2, KLF4, c-MYC 遺伝子の他にLIN28, NANOG, TET1, DNMT3B, KDM4D遺伝子など各種組み合わせによる検討を行った結果、いくつかの条件で形質転換細胞を得たが、培養細胞株として樹立することはできなかった。酸化ストレス以外にも動物種特異的なリプログラミング阻害要因の存在が示唆された。
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