ウシおよびブタの初期胞状卵胞より採取した,発育途上の卵母細胞を含む卵母細胞-卵丘細胞-顆粒膜細胞複合体を,高濃度のポリビニルピロリドン(PVP)とステロイドホルモンを含む培養液中で14日間培養すると,複合体はドーム様構造を形成し,構造内部で卵母細胞は発育し,成熟能力を獲得した。ブタ複合体では,FSHとPVPが卵丘細胞の増殖を促進した。ウシでは,ステロイドホルモンが卵母細胞と卵丘細胞との結合を維持した。また,PVPは卵母細胞を取り囲む顆粒膜細胞の細胞外マトリックスに関わる遺伝子の発現を低下させた。体外で発育したウシ卵母細胞は正常に受精し,胚盤胞へと発生した。
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