研究課題
(1) 組織トロピズム関連遺伝子bv/odv-e26 の機能解析: 組織トロピズム関連遺伝子として同定しているbv/odv-e26 (Bm8)の機能を解析するため、GFP発現ウイルスをベースとしてbv/odv-e26を欠損したウイルスを作成し、その性状をカイコ幼虫を用いて調査した。その結果、絹糸腺以外に前胸腺における多角体産生も欠損株において増加していた。さらに詳細な観察を行ったところ、bv/odv-e26欠損ウイルスは野生株よりも感染組織におけるウイルス増殖の速度が速いことが示唆された。一方、bv/odv-e26産物の局在を詳細に調査するため、GFP融合bv/odv-e26を発現する組換えウイルスを作成した。(2) systemic infectionに関与するarif-1の機能解析: arif-1の作用機序を調査するため、様々な変異を導入したarif-1変異株を作成し、それらの表現型を調査した。その結果、ARIF-1の機能発現に必要な領域、およびアミノ酸残基の同定に成功した。(3) vp39変異体の解析: 多角体産生が低下し、感染個体の行動惹起が大きく遅延する変異体として単離した#2080株は、これまでの実験でキャプシドタンパク質をコードするvp39遺伝子に一アミノ酸置換を持つことがわかっている。抗体を用いた解析により、変異VP39は野生型と同程度発現するが感染細胞内で不安定であること、およびウイルス粒子に含まれる量が少ないことが明らかになった。また、電子顕微鏡観察の結果、#2080が形成するほとんどのウイルス粒子が異常な形態を示すことが明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Journal of Invertebrate Pathology
巻: 132 ページ: 228, 232
10.1016/j.jip.2015.11.002
Journal of General Virology
巻: 96 ページ: 1938, 1946
10.1099/vir.0.000130
Proc Natl Acad Sci U S A
巻: 112 ページ: E4364, E4373
10.1073/pnas.1505481112
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20150728-1.html