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2013 年度 実績報告書

Vigna属野生植物を利用した超耐塩性・超アルカリ耐性・共生利用型新作物の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25292209
研究種目

基盤研究(B)

研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

友岡 憲彦  独立行政法人農業生物資源研究所, 多様性活用研究ユニット, ユニット長 (40373253)

研究分担者 横山 正  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70313286)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード耐塩性 / アルカリ耐性 / 野生植物 / 根粒菌
研究概要

雑種集団の両親V. luteola(ルテオラ62、PW189)とV. marina (マリナ63、PW039)について、挿し木を用いてNaHCO3(2000ppm)に対する耐性を水耕条件下で比較した。10月7日に挿し木を行い、10月9日に500ppm、10月21日に1000ppm、10月23日に1500ppm、10月25日に2000ppmに濃度を上げ、その後1週間ごとに枯死の程度を評価した。ルテオラ62は、2000ppm処理開始後2週目から葉が枯死しはじめたが、その時点でマリナ63に枯死した葉はなかった。2000ppm処理開始後3週目には、ルテオラ62はほぼすべての葉が枯死していたが、その時点でマリナ63の葉の枯死率は10%程度であった。このことから、挿し木を用いた水耕条件下において、マリナ63はルテオラ62と比較して顕著なアルカリ塩耐性を示すことが明らかになった。さらに、同じ両親系統を用いて土耕栽培を行い、それにNaHCO3処理(4000ppm)を行った場合にもマリナ63は処理後3週目に枯死率50%であったのに対し、ルテオラ62はほぼ完全に枯死した。このことから、水耕、土耕の両条件下において、マリナ63はルテオラ62よりもアルカリ塩に対して高い抵抗性を有することが明らかになった。
次いで、どの程度の塩分濃度下までマリナと耐塩性根粒菌の間に共生の成立がみられるのかを、実験条件下で調査した。実験には、マリナと供試菌株Irio-2a-6(1)(500mMNaCl耐性菌株)を用い、土壌としてはバーミキュライトとサンゴ砂を用いた。栽培は、1/1000 aポット(直径約11cm、高さ約15cm)のポットで行い、塩処理は、NaCl濃度の異なるN-free培養液(0 mM、100 mM、200 mM、300 mM)を用いて3反復で実施した。その結果、今回の実験系における共生系の成立は100mMと200mMの間の濃度で完全に阻害されることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マリナがアルカリ塩に対してルテオラよりも高い耐性を持つことが明らかになったこと、マリナと耐塩性根粒菌の共生成立の限界塩類濃度に関する情報が得られたことから、研究は当初計画に沿って進展している。

今後の研究の推進方策

マリナ63とルテオラ62との雑種集団に関しては、アルカリ塩に対する耐性の違いが検出されたので、その遺伝解析へと研究を進める。マリナと耐塩性根粒菌の共生成立に関する研究では、今年度もさらにストレス条件を検討して、共生成立限界塩濃度を調査する。また、根粒菌に関しては、イオンビーム照射による突然変異を誘起し、さらに耐塩性を強化した菌の獲得を目指す。

次年度の研究費の使用計画

今年度使用を計画していた、分子生物学試薬の使用量が計画より少なかったため、残額が生じた。
今年度使用を計画していた、分子生物学試薬を次年度に購入して研究を進める。

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公開日: 2015-05-28  

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