研究課題
申請者はこれまでに,リン酸基を特異的に捕捉する亜鉛錯体(フォスタグ)にアクリルアミド基を導入した誘導体を分子デバイスとして利用することで,リン酸親和性電気泳動法(フォスタグSDS-PAGE)を開発している。本研究では,タンパク質の分離分析において活用される2次元電気泳動法を発展させ,独自に開発したフォスタグSDS-PAGEの原理を加えることで,電気泳動法における新しい3次元軸の構築を行う。これにより,深耕拡大する生体内の「リン酸化ワールドとシグナルネットワーク」を短時間(1回の電気泳動)で一網打尽に浮き彫りにするための新たな分離イメージング技術を創出する。当年度においては,タンパク質の分離分析において活用される2次元電気泳動法を発展させ,独自に開発したフォスタグSDS-PAGEの原理を加えることで,電気泳動法における新しい3次元軸の構築を行った。2次元展開よりも詳細で微量なタンパク質スポットの分離が実現することが予想されるため,可視化の手段として高感度なタンパク質蛍光標識法を採用した。これは,立体ゲル空間において染色等の作業を経ずにタンパク質をスキャニングするためにも最善の手法となった。生理的な状態の異なるサンプルを異なる蛍光色素で標識し,リン酸化状態に関する質的・量的差異を同一ゲルで解析するための3次元蛍光ディファレンシャル解析法に発展させた。本技術により,疾病に特異的なリン酸化亢進タンパク質(リン酸化バイオマーカー)の発見などが期待できる。さらには,フォスタグ立体ゲルのプロトタイプとそれを利用した電気泳動法の開発の目的のため,リン酸化タンパク質群のみを転写するためのリン酸親和性トラップゲル電気泳動転写法を開発を展開させた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
PLoS One
巻: 11 ページ: e0148294
doi:10.1371/journal.pone.0148294.
Proteomics
巻: 16 ページ: 1825-1836
doi: 10.1002/pmic.201500494.
J. Chromatogr. B. Analyt. Technol. Biomed. Life. Sci.
巻: 1031 ページ: 195-201
doi: 10.1016/j.jchromb.2016.07.049.
Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology
巻: 1355 ページ: 17-29
doi: 10.1007/978-1-4939-3049-4_2.
http://home.hiroshima-u.ac.jp/tkoike/index.html