研究課題
ヒト乳管がん組織におけるMUC21の発現について、最近の順天堂における手術症例からルミナールA(LumA)、ルミナールB(LumB)、Her2陽性(HER)、トリプルネガティブ(TN)、非浸潤性乳管がん(DCIS)の各5例について、乳管内成分と正常乳管を含む組織を選んで伸長型糖鎖を含むMUC21に高い結合性を有するモノクローナル抗体heM21Aの結合性を免疫組織化学的に解析した。糖鎖のないあるいは短小型糖鎖を持つMUC21に特異的なheM21Dの結合は何れの部位にも見られなかった。LumA、LumB、HER、TNのがん部では5例中4例、DCISでは5例中3例に結合が見られ前4者では浸潤部と非浸潤部の染色性に大きな違いはなかった。正常乳管上皮にheM21Aモノクローナル抗体ががん部と同様に結合する症例が5グループそれぞれに1例ずつ存在した。染色強度はほとんどの例でこれまで陽性と判定してきた扁平上皮組織よりも低く、染色強度腫瘍ごとに比較すると同一腫瘍内では比較的均一であったが、腫瘍間では強度差が見られた。最も強い染色性が見られたのは扁平上皮様に分化した乳管がんであった。リンパ節転移の有無、核異形度、Ki67染色比率とheM21Aによる染色との間に相関は見られなかった。MUC21コアポリペプチドmRNAの発現に関して、乳がん、大腸がん、頭頸部がん、腎臓がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、甲状腺がん、子宮体がんを隣接正常組織と比較したデータベース検索によれば、乳腺、甲状腺、および子宮体において、一部の患者に有意な上昇がみられているので、その転写産物に糖鎖が付加し、伸長し、ムチンとして発現していることが明らかとなった。この亜集団がどの様な臨床病理学的背景を有するかをさらに検討することが極めて重要である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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