薬物の薬効・毒性の発現には、体内での薬物濃度と活性代謝物(薬理活性が増強された代謝物ないし毒性代謝物)の濃度が重要な決定因子となる。薬物代謝の個体差(フェノタイプ)を、遺伝的多型(ジェノタイプ)で理解しようとするアプローチは有効だが、一方で、予測不能の事例があり、責任遺伝子のジェノタイプのみでは限界がある。本研究では、薬物代謝酵素間のタンパク質間相互作用、特にシトクロムP450 (P450, CYP)とUDP-グルクロン酸転移酵素 (UGT)のタンパク質間相互作用による薬物代謝の制御が、in vivoでも個体差の要因として重要である可能性を示すと共に、その分子機構解明にむけた検討を行った。
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