研究課題
昨年度、一細胞レベルの質量顕微鏡解析より明らかとなった正常形質細胞(NPC)に比べて、多発性骨髄腫(MM)において減少したフォスファチジルコリン(PC)(16:0/20:4)について定量的評価を行った。標準試薬を用いたDried droplet法によってPC(16:0/20:4)の濃度はNPCで11.7μg/mlであったのに対し、MM細胞では3.02μg/mlと低いことが明らかとなった。(Hossen et al. Anal Bioanal Chem, 2015)MM細胞におけるPC(16:0/20:4)の減少は、それを構成する脂肪酸であるC20:4、C16:0の減少によると考えられる。特にC16:0の減少に関しては、MM細胞の脂質代謝における長鎖脂肪酸伸長酵素Elovl6の関与が考えられ、MMでElovl6の過剰発現がmRNAレベルで報告されている。脂質代謝酵素の阻害剤が新たな治療薬として注目されており、一細胞レベル質量顕微鏡解析とDried droplet法を組み合わせることによって、がんの脂質代謝関連薬剤の評価が可能であると考えられる。また、MM細胞の脂質プロファイルデータは、治療薬の脂質関連治療が有効な患者を選択する一助となり得る。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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