研究課題/領域番号 |
25293046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 康志 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, チームリーダー (50272430)
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研究分担者 |
伊藤 陽子 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (60584571)
島 知弘 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 基礎科学特別研究員 (60631786)
池田 一穂 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 研究員 (20642565)
高井 啓 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (60637205)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 微小管 / キネシン / 分子モーター / 微小管結合タンパク質 |
研究概要 |
本研究第1年度である2013年度は、① in vitro アッセイ系を用いた解析、② 微小管に構造制御因子の探索、③ 遊走細胞および上皮細胞でのナビゲーション機構の3つのテーマそれぞれについて、以下の進捗があった。 ① in vitro アッセイ系を用いた分子モーターの運動性と微小管の構造状態の関連の系統的計測については、微小管動態と構造状態、分子モーターの結合・運動の同時計測を目指した実験系の構築を行った。これと平行して、KIF5を含む複数の分子モーターについて、GTP微小管とGDP微小管、GDP-taxol微小管の三者で結合親和性や運動性の解析を行い、GDP微小管に高い親和性を示す分子モーターを発見した。今後、構造解析と変異体解析を組み合わせることで、GDP微小管を選好する分子モーターの機構の解明を行う。 ②微小管に構造依存的に結合するタンパク質の網羅的検索では、マウス脳からGTP微小管およびGDP-taxol微小管と共沈するタンパク質の解析を当初行ったが、両者に顕著な差は認められなかった。そこで、微小管と共沈したタンパク質画分を適切な塩強度のバッファーで洗浄することにより、一部のタンパク質が微小管から解離する条件で比較して、GTP微小管とGDP-taxol微小管で結合強度に差がみられるタンパク質を検索した。Peptide mass fingerprinting法による解析の結果、5種類のタンパク質が同定された。そのうちの3つについて、GTP微小管とGDP微小管に対する結合親和性の解析を行った結果、2つはGTP微小管に高い親和性を示し、1つはGDP微小管に高い親和性を示すことが確認された。今後、これらの細胞内での機能の解析へと展開する予定である。 ③ 遊走細胞および上皮細胞での微小管による分子モーターのナビゲーションの直接観察では、KIF5の1分子イメージングにより、これらの細胞でKIF5がごく一部の微小管を選好して運動することが示された。今後、変異体を用いてその機構の解明を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究計画として立案した3つの課題テーマのそれぞれについて、初年度に予定していた内容はほぼ予定通り達成することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の計画していた範囲で研究が進展しており、当初の予定通りに次年度以降も研究を進めていく予定である。
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