脂質メディエーターであるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の生理的及び病的や役割とその制御機構について、S1PトランスポーターであるSpns2に着目し解析を行った。その結果、Spns2を介して内皮細胞から産生されたS1Pは、オートクリンあるいはパラクリン因子として機能し、内皮細胞間接着を増強することでリンパ管構造の維持に寄与することが示された。また、ゼブラフィッシュにおいて、卵黄合胞体層からSpns2を介して放出されたS1Pは、S1P2受容体を介して内胚葉の核転写調節因子Yap1を活性化し、心臓前駆細胞の移動の足場となる内胚葉構造を維持することで心臓発生を制御することが示された。
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