研究課題
1.脳内タウリン欠乏モデルの検討:タウリントランスポーターKO マウスの大脳皮質脳スライス標本のパッチクランプで微小シナプス電流を記録したところ、mIPSCの振幅と頻度は有意に減少していた。トニックGABA電流に変化なく、タウリンがGABAシナプス数と強度の維持に関与することを示唆する。2.モデル動物脳の網羅的DNAメチル化解析:GAD67-GFPノックインマウス母体拘束ストレスモデルの前頭葉/海馬/体性感覚野を生後21日に回収し、「ストレス有、GAD67+/GFP」、「ストレス有、GAD67+/+」、「ストレス無、GAD67+/GFP」、「ストレス無、GAD67+/+」の4群で網羅的DNAメチル化解析を行った。「ストレス有、GAD67 +/GFP」群で他のすべての群に比して有意にメチル化が亢進した遺伝子のうち、GABA関連としてDlx2, Fktn, Ephb3, Otx2, Nkx6-2、Cdk5r2, Pax6等を確認した。3.成長後のモデル動物の行動学的評価: 2.の4群の生後8週齢雄を対象とした。衝動性、注意機能、場所学習、逆転学習、作業記憶に有意差は無かったが、「ストレス有」群で場所学習記憶保持が低下していた。社会行動性は「ストレス有、GAD67+/GFP」でのみ他群と有意差を認め、GABAとストレスで交互作用が確認できた。4.モデル成長後のシナプス伝達・神経回路機能の解析:GAD67-GFPノックインマウスの室傍核と正中隆起の免疫染色でCRH細胞へのGABA(GFP)入力を認めた。Cl-トランスポーターのKCC2とNKCC1の免疫染色では、室傍核のCRH細胞体にはKCC2が、正中隆起のCRH細胞終末にはNKCC1が発現するという明確な差異があった。CRH放出にGABAが視床下部で抑制、正中隆起で促進に働く可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 5 ページ: -
10.1038/srep15199
Brain Research
巻: 1601 ページ: 31-39
10.1016/j.brainres.2015.01.007
Frontiers in Cellular Neuroscience
巻: 9 ページ: -
10.3389/fncel.2015.00371
http://www.hama-med.ac.jp/uni_education_igakubu_igaku_seiri1.html