研究課題
最終年度(3年目、平成27年度)は、以下の実験を行った。(1)浸透圧・メカノセンサー分子の候補としてTRPV1およびTRPV4に着目し、それぞれのノックアウトマウスでの飲水行動解析を行ったところ、アンジオテンシンII(AII)の脳室内投与後の飲水行動がTRPV1ノックアウトマスでは野生型マウスおよびTRPV4ノックアウトマウスと比較して有意に抑制されていた。TRPV4ノックアウトマウスと野生型マウスでは有意差はなかった。次に、AIIの脳室内投与後の脳内の活性部位を検討するため、免疫組織化学的染色法を用いて脳内でのFosタンパクの発現を検索した。その結果、TRPV1ノックアウトマウスでは、AIIの脳室内投与後のFosタンパクの発現増加がバゾプレッシンニューロンの細胞体が局在する視索上核において有意に抑制されていた。(2)浸透圧・メカノセンサー分子の同定のためにバゾプレッシンニューロンの神経活動を制御する機能分子に着目した。バゾプレッシンニューロンの神経活動を光照射により制御する目的で光興奮性タンパク(チャネルロドプシン2:ChR2)遺伝子の導入・発現を試み、それに成功した。この遺伝子改変ラットでは、バゾプレッシンニューロンの細胞膜にChR2が局在して発現していること、2%食塩水の飲水負荷によりその発現が著明に増加すること、およびパッチクランプ法を用いて青色光照射により脱分極および活動電位が誘発されることを確認した。今後、浸透圧・メカノセンサー分子同定のための強力なツールになることが期待される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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