研究課題
本年度は、以下の研究成果を得て論文発表を行った。1)セリンラセマーゼの新規阻害薬候補をin silico スクリーニング、in vitro でのSR活性評価により開発した(Mori et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 24:3732-, 2014)。2)脊髄に存在するセリンラセマーゼが、炎症性疼痛の制御に関わることを明らかにし、疼痛の創薬標的であることを見いだした (Tabata-Imai et al., PLoS ONE, 9:e105282, 2014).また、本年度当初計画した、1)D-セリントランスポータのAsc-1の発現抑制に関しては、条件的遺伝子ノックアウトを行うための標的遺伝子組換えES細胞を取得した。2)アストロサイト特異的D-セリン分解遺伝子操作マウスに関しては、D-セリン分解酵素を発現させるためのBAC-トランスジェニックベクターを導入したES細胞候補を取得した。3)神経変性疾患、過剰興奮マウスモデルを持ちいたセリンラセマーゼ阻害薬の評価に関しては、上記した新たに開発したセリンラセマーゼ阻害薬を神経活動を発光により評価できるArc-Luc Tgマウスに投与し、検討を行い、てんかん発作を引き起こすカイニン酸による発光上昇を抑制する作用を見いだした。
3: やや遅れている
遺伝子操作マウスを開発するための、ES細胞は取得できているが、マウス個体作製が遅れているため。
遺伝子操作マウスの作製を最優先として、研究を推進する。近年開発されてきたゲノム編集技術を用いてES細胞を経由しないマウス作製も検討する。
遺伝子操作マウスの作製が予定より遅れているため。
遺伝子操作マウスの作製を優先的に進めるので、最終年度で予定通り使用する。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Bioorg. Med. Chem. Lett.
巻: 24 ページ: 3732-5
10.1016/j.bmcl.2014.07.003.
PLOS ONE
巻: 9 ページ: e105282
10.1371/journal.pone.0105282
J. Invest. Dermatol.
巻: 134 ページ: 1618-1626
10.1038/jid.2014.22