研究課題
①オルファンGタンパク質共役受容体GPR3は、中枢神経に豊富に発現し、恒常的にcAMPを上昇させる機能を受容体である。これまで明らかでなかった脳における発現様式、細胞内での局在を検討したところ、GPR3は海馬CA3領域、内側手綱核、小脳顆粒細胞に強く発現しており、細胞内では、形質膜、ゴルジ体、エンドソームに局在していることが明らかになった。また、GPR3は、小脳顆粒細胞において細胞体から突起先端に輸送され、突起先端部での細胞内cAMPを上昇させ突起伸長に寄与することも明らかとなった( PLoS One. 11 (2016) e0147466)。②ミクログリアは神経細胞傷害的にも保護的にも働くことが報告されている。Toll様受容体4をリポポリサッカライド(LPS)で刺激したところ、ほとんどの細胞が数時間以内に死滅するのに対し、3日以上長期にわたり生存する細胞集団があることを見出した。このLPS誘発性長期生存ミクログリアは、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を自己産生し、その下流でJAK/STAT系が活性化することにより長期生存することが明らかとなった。また、これらミクログリアは神経保護的に働くことを明らかとなった(Neurochem. Int. 93 (2016) 82-94)。③セロトニントランスポーター(SERT)のC末端欠損体(SERT ΔCT)の取り込み活性を指標に膜輸送を活性化させる薬物として熱ショックタンパク質(HSP)の誘導剤に注目した。その結果、HSP誘導剤ではSERT ΔCTの活性を減少させ、SERTΔCTタンパクを減少させる効果が見られた。これら薬物は、小胞体関連分解(ERAD)を促進する作用があるのかもしれない。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://hiroshima-u.jp/med/research/lab/basis/Molecular_and_pharmacological_neuroscience