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2016 年度 実績報告書

リボソームを介した新しい酸化ストレス応答機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25293064
研究機関弘前大学

研究代表者

伊東 健  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323289)

研究分担者 松宮 朋穂  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30344592)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワードGCN1L1 / ATF4 / リボソーム / アミノ酸飢餓 / Nrf2
研究実績の概要

GCN1L1が酸化ストレス防御に果たす役割の個体レベルでの検討---昨年度の解析よりGCN1L1 KOマウスは、出生直後に肺胞虚脱のため呼吸不全により致死であることが示唆された。妊娠週齢をおって詳細に解析すると、GCN1L1 KOマウスは発育遅延が観察された。出産を遅らせることにより、一部の発育遅延はレスキューされることが示唆された。
GCN1L1が酸化ストレスを感知する分子機構の解析---GCN1L1 KO マウス由来の胎児期繊維芽細胞(MEF)を用いて解析すると、アミノ酸飢餓によるATF4の活性化はGCN1L1 KO MEFでは観察されなかったが、親電子性物質によるNrf2の活性化は野生型MEFと同程度に観察された。以上のことから、親電子性物質によるNrf2の活性化にはGCN1L1が必須ではないことが明らかになった。
eIF2a-ATF4経路とNrf2経路のクロストークが酸化ストレス応答に果たす役割の検討---4つのeIF2aを全てノックアウトした細胞にHRIを単独で発現するレスキュー細胞系を用いて調べ、カルノシン酸によるATF4の活性化にはHRIが関与することを明らかにした。さらにカルノシン酸によりNrf2とATF4が同時活性化される系を用いてNrf2とATF4の物理的相互作用により協調的に制御される遺伝子をクロマチン免疫沈降法を用いて解析することを試みたが、ATF4抗体があまり適さないこと、Nrf2とATF4の活性化にタイムラグが存在することからこの解析はうまくいかなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GCN1L1 KOマウスにおいて産直後に致死となる原因が明らかになりつつあるがその詳細な解析が遅れている。また、GCN1L1にはミトコンドリアインバランスを感知する働きがあることが明らかになりつつあるが、レスキュー実験による確認および詳細な解析が遅れている。MEF細胞においてもこのことを確認し、早急にレスキュー実験を開始する必要がある。

今後の研究の推進方策

GCN1L1 KOマウスにおいて、産直後に致死となる原因を明らかにすることが重要である。さらには解析が遅れているMEF細胞におけるレスキュー実験を早急に推し進める必要がある。

次年度使用額が生じた理由

当該年度中に終了しなかった実験があり、その遂行のために次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度レスキュー実験などの解析に必要となる消耗品を購入予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] The BET bromodomain inhibitor exerts the most potent synergistic anticancer effects in combination with quinone-containing compounds and anti-microtubule drugs2016

    • 著者名/発表者名
      Liu PY, Sokolowski N, Guo ST, Siddiqi F, Atmadibrata B, Telfer TJ, Sun Y, Zhang L, Yu D, Mccarroll J, Liu B, Yang RH, Guo XY, Tee AE, Itoh K, Wang J, Kavallaris M, Haber M, Norris MD, Cheung BB, Byrne JA, Ziegler DS, Marshall GM, Dinger ME, Codd R, Zhang XD, Liu T
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 7 ページ: 79217-79232

    • DOI

      10.18632/oncotarget.12640.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Non-Canonical Role of IKKα in the Regulation of STAT1 Phosphorylation in Antiviral Signaling.2016

    • 著者名/発表者名
      Xing F, Matsumiya T, Shiba Y, Hayakari R, Yoshida H, Imaizumi T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0168696

    • DOI

      PLoS One. 2016 Dec 19;11(12):e0168696. doi:

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Nrf2を中心とした転写因子ネットワークの活性化を利用した食品機能性成分による脳神経変性疾患予防戦略2016

    • 著者名/発表者名
      伊東健
    • 学会等名
      第7回岐阜薬科大学機能性健康食品(蜂産品)研究講演会
    • 発表場所
      じゅうろくプラザ(岐阜県、岐阜市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-03
    • 招待講演
  • [学会発表] Elucidation of Nrf2-centered transcriptional network toward the disease prevention and therapy2016

    • 著者名/発表者名
      Ken Itoh
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県、仙台市)
    • 年月日
      2016-09-25 – 2016-09-27
    • 国際学会
  • [学会発表] 酸化ストレス鍵転写因子Nrf2の生理的役割・進化論的意義と疾患予防2016

    • 著者名/発表者名
      伊東健
    • 学会等名
      第69回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県、仙台市)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-08-31
    • 招待講演
  • [学会発表] Nrf2とeIF2α-ATF4ストレス応答経路のクロストークによるレドックス応答機構2016

    • 著者名/発表者名
      伊東健
    • 学会等名
      第58回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      札幌コンべンションセンター(北海道、札幌市)
    • 年月日
      2016-08-24 – 2016-08-26
  • [学会発表] Nrf2を中心とした転写因子ネットワークによる疾患制御2016

    • 著者名/発表者名
      伊東健
    • 学会等名
      第37回日本循環制御医学会総会
    • 発表場所
      ステーションコンファレンス東京(東京都)
    • 年月日
      2016-07-08 – 2016-07-09
  • [学会発表] Elucidation of Nrf2-centered transcriptional network toward the development of novel neuroprotective strategy2016

    • 著者名/発表者名
      Ken Itoh
    • 学会等名
      第9回国際NO学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県、仙台市)
    • 年月日
      2016-05-20 – 2016-05-22
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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