研究課題/領域番号 |
25293066
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
古賀 貴子 昭和大学, 歯学部, 講師 (90451905)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | タンパク質翻訳後修飾 / メチル化 |
研究実績の概要 |
たんぱく質のアルギニン残基を非対称的に二度メチル化する酵素PRMT5の生態レベルでの機能や意義を明らかにすることに努めた。PRMT5遺伝子を欠損すると受精卵の段階で細胞は死に至る。そのため、PRMT5遺伝子を様々な細胞、特に骨組織の恒常性維持にかかわる破骨細胞や、免疫系細胞などで欠損するコンディショナルノックアウトマウスを作製した。破骨細胞特異的に発現するCtsk遺伝子下流でCreを発現するCtsk-Creによる破骨細胞特異的PRMT5欠損マウスは骨吸収の増加による骨量低下を示した。これの原因について分子レベルで解析を行った。一方、T細胞系列、特にCD4の発現で制御されるCreによって遺伝子欠損を起こすマウスでは、胸腺のNKT細胞の数、および抹消のCD4とCD8細胞の数が減少した、このメカニズムの解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質メチル化酵素PRMT5の様々な細胞におけるコンディショナルノックアウトマウスが完成し、それらについてそれぞれ平行して解析をすすめている。そのため、マウスの繁殖や遺伝子型解析などを含め、膨大な実験量となるが、それをおおむね順調に進展することができている。
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今後の研究の推進方策 |
PRMT5の生態レベルにおける意義解明に関しては、大まかに、T細胞を中心とした免疫システムにおける意義、および破骨細胞を中心とした骨組織における意義、の2つに焦点を絞って解析することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金として予定していた使用額について、研究機関が変更になったこともあり、委託研究費や技術員の雇用の計画を取りやめて、研究代表者自身で研究を実施した。そのため、多少物品費の消費が増額し、また次年度使用額を生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度に当たるため、成果をまとめて論文作成にかかる費用や統計的な解析の委託などに使用する。また成果を国内外で発表するための旅費にも重点を置く。
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