動物組織の構築や維持は、WntシグナルやShhシグナルなどの限られた種類のシグナル群によって制御される。しかしながら、わずかな数のシグナル群のON/OFFの制御のみで複雑な組織構築を支えられるとは考えにくい。これに加え、シグナル群の活動の局所的で厳密な微調整(シグナルファインチューニング)が必須であると考えられる。本研究ではまず、Wntシグナルのファインチューナー分子であるNLKについて解析を行い、NLKの機能破綻が悪性脳腫瘍を引き起こす分子基盤を解明した。また、大規模スクリーニングによりNLK特異的阻害剤を同定した。また、WntシグナルやShhシグナルの新たなファインチューナーを発見した。
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