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2014 年度 実績報告書

非コード反復配列RNAの発現を主因とした多段階発癌の発癌機構の解明と制御

研究課題

研究課題/領域番号 25293076
研究機関東京大学

研究代表者

大塚 基之  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90518945)

研究分担者 前田 愼  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40415956)
伊地知 秀明  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70463841)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード非コードRNA / 膵癌 / YB-1
研究実績の概要

慢性炎症に続発する癌(炎症性発癌)の病態として「炎症性ストレスによる慢性的な『miRNA機能阻害』が原因の一端である」ことを明らかにし、miRNA機能を増強する薬剤によって炎症性発癌の予防が可能になることを同定した、いっぽうで、炎症性発癌ではなくもうひとつの主要な発癌経路であるsporadicな発癌については癌遺伝子・癌抑制遺伝子の変異に伴う多段階発癌が主要な発癌経路であると推定されているが、なぜそれらの遺伝子変異が最終的に雑多な遺伝子異常を伴う細胞癌化に結びつくのかはいまだ明確になっていない。ウス膵癌モデルでは前癌段階から非コード反復配列RNAが発現してくることを確認しているが、その発現は癌の前段階から認められ、かつ癌周囲組織で多かった。その結果に基づいて、in vivo 解析用に非コードRNAあるいは非コードRNAノックダウンコンストラクトを発現するtransgenic mouse を作製した。並行して、in vitroでの強制発現系を用いて非コード反復配列RNAの生物学的意義とその分子機構を、染色体の形態観察や転写物発現状態の網羅的変化や結合蛋白の検索をおこなうことで突き止めることを目標とした。その結果、反復配列RNAにはYB-1と呼ばれるRNA結合タンパクが結合することが質量分析のを駆使して明らかにした。YB-1は細胞の遺伝子異常の修復や細胞分裂時の染色体の分裂に必須の因子であるが、この非コードRNAのYB-1への結合がYB-1の本来持つ機能を落とし、その結果癌化に傾くことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵癌前段階からの反復配列RNAの発現様式の同定と、反復配列RNAと結合する細胞内タンパクの同定を行えた。また、この非コードRNAを発現するトランスジェニックマウスも作成した。

今後の研究の推進方策

引き続きin vitroでの非コードRNAの発癌プロセスへの関与を同定し、in vivoモデルでもvitroの結果が反映されているかを検証する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Diagnostic and therapeutic application of noncoding RNAs for hepatocellular carcinoma.2015

    • 著者名/発表者名
      Shibata C, Otsuka M, Kishikawa T, Ohno M, Yoshikawa T, Takata A, Koike K.
    • 雑誌名

      World J Hepatol.

      巻: 27 ページ: 1-6.

    • DOI

      10.4254/wjh.v7.i1.1.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Tissue-specific regulation of p38α-mediated inflammation in ConA-induced acute liver damage.2015

    • 著者名/発表者名
      Bang BR, Shim EJ, Otsuka M, Otsu K, Kang YJ.
    • 雑誌名

      J Immunol.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Decreased miR122 in hepatocellular carcinoma leads to chemoresistance with increased arginine.2015

    • 著者名/発表者名
      2.Kishikawa T, #Otsuka M, Poh Seng T, Ohno M, Sun X, Yoshikawa T, Shibata C, Takata A, Kojima K, TakehanaK, Ohishi M, Ota S, Noyama T, Kondo Y, Sato M, Soga T, Hoshida Y, Koike K.
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The role of microRNAs in hepatocarcinogenesis: current knowledge and future prospects.2014

    • 著者名/発表者名
      Otsuka M, Kishikawa T, Yoshikawa T, Ohno M, Takata A, Shibata C, Koike K.
    • 雑誌名

      J Gastroenterol.

      巻: 49 ページ: 173-84.

    • DOI

      10.1007/s00535-013-0909-8.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The flavonoid apigenin inhibits hepatitis C virus replication by decreasing mature microRNA122 levels.2014

    • 著者名/発表者名
      Shibata C, Ohno M, Otsuka M, Kishikawa T, Goto K, Muroyama R, Kato N, Yoshikawa T, Takata A, Koike K.
    • 雑誌名

      Virology.

      巻: 462-463: ページ: 42-8.

    • DOI

      10.1016/j.virol.2014.05.024.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [備考] 研究グループホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/225kenncrna/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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