研究課題
基盤研究(B)
平成25年度は、以下の2項目について検討を行った。1. ATF6αKOとATF6βKOマウスを用いた軟骨細胞分化における生理的な意義を骨形成異常の形態学的解析、軟骨組織の組織学的解析、軟骨組織の遺伝子発現解析、培養細胞を用いた機能解析を行い検討した。2. ATF6αKOとATF6βKOマウスを用いたDSS大腸炎発症における病的意義をDSS腸炎の臨床重症度判定、大腸組織の組織学的解析、大腸組織の遺伝子発現解析、培養細胞を用いた機能解析を行い、検討した。
3: やや遅れている
体長の短さは軟骨細胞の増殖・分化に起因することが多く、ATF6β KO由来の線維芽細胞は軟骨細胞への分化が障害されていることを見出しており(未発表)、軟骨細胞分化の検討によりATF6βの生理的意義の解明が強く期待できる。しかしながら、ノックアウトマウスの繁殖が予定どおりに進まず、解析にやや遅れを生じている。
本研究では、小胞体ストレス応答を制御する転写因子であるATF6βに焦点を絞り、非古典的小胞体ストレス応答での生体機能制御とその破綻による疾患発症を解明して、先端医療開発の基盤形成を目的としている。今年度に得られた解析結果を基に、前年度に引き継ぎATF6αとATF6βKO(ノックアウト)マウスの比較解析を行い、ATF6βによる遺伝子発現ネットワークの全容とその制御の分子機構の解明を目指す。
当初、ATF6βマウスの交配を雄雌ともにホモ同士の交配を計画していたが、産出率が悪く予定していた匹数が得られなかった。そのため、今年度は細胞培養を優先したため、当初予定していた使用額が変更になった。現在は、マウスの交配をヘテロマウスを使用するように計画を変更したため、遺伝子解析を行う業務が増えた。そのため、次年度はマウスの遺伝子解析の業務を行う技術補佐員の人件費に充てる。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 1件)
Nature
巻: 499 ページ: 97-101
10.1038/nature12347