研究課題
歌舞伎症候群の本体は,ヒストンメチル化異常によって引き起こされる病態である可能性が高く,病態解明のため,ゲノム全体を対象にしたヒストンのメチル化状態のプロファイリングを明らかにしておく必要がある。本研究では,KMT2DとKDM6Aの修飾ターゲットを探索するとともに,培養細胞での実験系構築を図る。ゲノム編集を行い基準線維芽細胞から変異を有する細胞の構築を目指した。CRSPER/Cas9システム活用し,薬剤耐性クローン選択を行い,ピックアップした時だけ目的部位の欠失したクローンが取得出来る。初期の報告のように薬剤選択しない場合,目的クローンは取得出来ないし,donor DNAを加えての点突然変異ゲノム編集は出来ない。KMT2DとKDM6A遺伝子以外のターゲットの場合にはヒト線維芽細胞でその遺伝子欠失クローンが得られたが,KMT2DとKDM6A遺伝子遺伝子に関して,線維芽細胞からの欠失クローンを得ることは出来なかった。ヒト標準線維芽細胞からモデル細胞をえることが難しいと判断し,モデルマウス個体の作成も本研究に取り入れた。キメラマウスが得られ,交配からES細胞由来のヘテロは得られるものの mutant allele が伝達されたヘテロ接合マウスが得られず,体外受精でキメラマウスを2匹得ることが出来た。今後の解析に利用するためにコロニー増殖中である。KMT2DおよびKDM6A遺伝子変異陰性例(患者DNAのみ有する)については exome 解析にても原因変異は見つからず,KMT2D にはイントロンも含めて原因と思われる変異は同定できない。全国的に歌舞伎症候群の遺伝子診断を提供しながら,歌舞伎症候群患者変異陰性例の全ゲノム解析に向けての同意取得と試料取得を図り,3例のトリオを入手した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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