研究課題
1) 患児の全エクソーム解析-目標の80症例を大きく超える139例を全エクソーム解析し、網羅的な点変異およびコピー数異常を探索した。うち52例(37%)において原因と考えられる遺伝子異常を同定することができた。これらの解析によって新たに1つの新規責任遺伝子の同定に成功した。また、変異遺伝子あるいはコピー数異常部位は37におよび、網羅的な全エクソーム解析の有用性が改めて確認された。2)原因未同定のてんかん患者の変異データベースの作成-エクソーム解析で既知遺伝子が除外された532例に関して、当教室の575例のコントロールエクソームデータに5例以下しか登録のない変異のデータベースを作成した。これにより、候補遺伝子の変異の有無について迅速な検索が可能となった。また、他の研究室から論文報告がされた新規遺伝子の検索が容易になり、2015年11月に報告されたPRUNE遺伝子の変異を2例で同定することができた。3)新規責任遺伝子の同定と表現型の解析-新たに乳児てんかんの原因遺伝子として、大脳皮質と海馬の錐体神経細胞での主な遅延整流性カリウムチャネルであるKv2.1をコードするKCNB1を同定した。2名の患児は、乳児期より運動発達遅滞が認められ、生後1-1.5年で脳波上びまん性の高振幅不規則多棘徐波結合を呈する全般てんかん発作を発症し、重度の知的障害を呈していた。更に、乳児てんかんの原因遺伝子であるGNAO1変異症例を4例同定した。既報の4例と併せて臨床像を考えると、GNAO1変異が引き起こす表現型は幅広く、乳児期発症のてんかん性脳症から、てんかん発作を認めない発達遅滞と不随意運動症例まで含まれることが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 4件、 査読あり 11件、 謝辞記載あり 11件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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