| 研究課題/領域番号 |
25293087
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 研究機関 | 山梨大学 |
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研究代表者 |
加藤 良平 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30152755)
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| 研究分担者 |
近藤 哲夫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30334858)
中澤 匡男 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (10345704)
大石 直輝 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90623661)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 甲状腺がん / 小児 / 放射線 / 病理 / 遺伝子 |
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| 研究概要 |
これまで成人の甲状腺癌について、臨床病理学的事項、組織学的事項、遺伝子背景などを検討してきた。今回は若年発生の甲状腺癌を検討する目的で以下の項目について実際に行った。
材料の収集と臨床病理学的事項：山梨大学医学部附属病院、神戸隈病院で手術された若年発生（20才以下）と成人発生（21才以上）の甲状腺癌症例（若年発生が20歳以下100例、21才以上100例）を集めることができた。それぞれの症例について、患者年齢、性、転移の有無などの臨床病理学的事項をまとめた。
病理学的事項：すべての症例のHE染色標本を組織学的に検討した。その結果、若年者例では乳頭癌の頻度が有意ではあるが、成人発生の甲状腺癌例に比較すると濾胞癌の割合が高いことが分かった。
遺伝子変異の検出：各症例についての臨床情報をもとに、フォルマリン固定、パラフィン切片から核酸を抽出した。癌遺伝子の検討はアレル特異的PCR法を用いた。本方法におけるBRAF遺伝子変異に対するプライマーを作成し、その検出感度を検討し、0.1％の検出感度、すなわち1000個の細胞中に1個の細胞の遺伝子異常が検出可能であることを見出した。BRAF遺伝子のV660Eは、若年発生の甲状腺乳頭癌では35％、成人発生では70％で有意に低いことがわかった。その内容をみると、若年発生例の特徴といえるDiffuse sclerosing variantやSolid-follicular variantでは、15例中1例も陽性例がなく、成人型の乳頭癌では50％の頻度でBRAFV600Eが認められた。すなわち、若年発生の乳頭癌のBRAFV600Eの低頻度は、これらの若年型乳頭癌での亜型によるものと推察された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
山梨大学医学部附属病院、神戸隈病院で手術された若年発生（20才以下）と成人発生（21才以上）の甲状腺癌症例（若年発生が20歳以下100例、21才以上100例）を集めることができた。それぞれの症例について、患者年齢、性、転移の有無などの臨床病理学的事項をまとめた。
病理学的事項：すべての症例のHE染色標本を組織学的に検討した。その結果、若年者例では乳頭癌の頻度が有意ではあるが、成人発生の甲状腺癌例に比較すると濾胞癌の割合が高いことが分かった。
遺伝子変異の検出：各症例についての臨床情報をもとに、フォルマリン固定、パラフィン切片から核酸を抽出した。癌遺伝子の検討はアレル特異的PCR法を用いた。本方法におけるBRAF遺伝子変異に対するプライマーを作成し、その検出感度を検討し、0.1％の検出感度、すなわち1000個の細胞中に1個の細胞の遺伝子異常が検出可能であることを見出した。BRAF遺伝子のV660Eは、若年発生の甲状腺乳頭癌では35％、成人発生では70％で有意に低いことがわかった。その内容をみると、若年発生例の特徴といえるDiffuse sclerosing variantやSolid-follicular variantでは、15例中1例も陽性例がなく、成人型の乳頭癌では50％の頻度でBRAFV600Eが認められた。すなわち、若年発生の乳頭癌のBRAFV600Eの低頻度は、これらの若年型乳頭癌での亜型によるものと推察された。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後はさらに症例数を増やし、BRAF遺伝子変異をはじめとする甲状腺癌関連遺伝子の変異について検討していくこととする。また、Tertのプロモーター遺伝子における突然変異も検討する予定。これにはPCR法とともにFISH法を用いて解析することにしている。FISH法については、現在検討中である。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
年度内に予定していたRET遺伝子再構成が、パラフィン切片からRNAがうまく抽出できなかったので、RET遺伝子再構成の検討は途中でいったんとり止めることにして、次年度にその部分を持ち越すことにした。
上述のRET遺伝子再構成の検討を進めるために、微量なRNAを抽出するための物品を早急に購入する。
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