研究課題
平成27年度はWHO肺癌分類の改訂にwriting committeeとしてこれまでの成果を反映させるべく、活動を行い、特に肺癌発がんモデルに関して、これまで我々が主張してきた末梢肺型腺癌の特異性を入れることができた。これはTCGAプロジェクトで肺腺癌の結果としても我々の考え方が支持されたことも大きく影響している。とくにこのコンパートメントモデルについては、現在注目を集めている免疫チェックポイント阻害剤の効果と関連があることが予測され、現在もこの項目について検討を進めている。これらのWHO分類についての解説レビューを複数、発表した。また、海外との共同研究として進めていた、肺小細胞癌の全ゲノムシークエンスの結果、一部の小細胞癌において、chromothripsis(染色体破砕)によるCCND1の過剰発現が起こることが判明し、その機能について解析を行った(Nature. 2015;524:47-53)。多くの小細胞癌ではRB不活性化が生じるが、その他のメカニズムによってもこの経路の不活化が示されたため、肺小細胞癌の発生メカニズムとしてこの経路の不活化が必須と考えられた。また、画像診断との対比についても検討を進め、ドライバー変異の種類によってCT画像におけるGGO病変の進行が統計学的に有意な差を持って異なることを見出した。この結果についてまとめ、学会誌に発表した(Ann Oncol. 2015;26:156-61)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)
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