免疫系・造血系・心血管系疾患に共通する疾患関連遺伝子としてLnk/Sh2b3が注目されており、Lnk/Sh2b3を介する制御系の標的細胞及び細胞機能の解明が課題となっている。リスクファクターとなることが報告されている疾患群を考慮したモデル系を用い病態形成機構を解析した。Lnk欠損では樹状細胞の変化からTh1応答が起きやすく易炎症性が獲得されること、IL-15反応性亢進による活性化CD8+T細胞の蓄積から腸管障害を起こすこと、IFN-γを産生するCD8+T細胞の腎臓や血管内皮への浸潤により高血圧誘導への感受性が亢進すること、血球細胞に依存する耐糖能異常が生じることを明らかにした。
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