研究課題
マウスマラリア原虫Plasmodium berghei ANKAを用いた基礎研究において、免疫制御性サイトカインIL-27を産生し免疫抑制を行う新規制御性CD4+T細胞を発見した。このT細胞は、通常の制御性T細胞とは異なり転写因子Foxp3陰性で、IFN-γ産生Th1細胞やIL-10産生Tr1細胞とも異なるサブセットである。抗原特異的にIL-27を産生し、他のT細胞のIL-2産生と増殖応答をIL-27依存的に抑制する。マラリア感染マウスでは、特異的T細胞が、マクロファージや樹状細胞より高いレベルでIL-27を産生する。マウスがマラリア原虫に感染すると、T細胞のIL-2産生やクローン増殖応答が抑制しされる。しかしながら、T細胞にIL-27p28あるいはEBI3遺伝子を欠損するマウスでは、この抑制が解除され、T細胞の特異適応等が亢進する。様々なマラリア原虫株を用い、IL-27産生細胞が誘導されるか否か検討した。P. yoelii、P. chabaudi、P. vinckei何れの感染においても、T細胞受容体刺激に対して脾臓CD4+T細胞のIL-2産生低下とIFN-gamma産生増加、そしてIL-27産生を確認することができた。一方、リステリア感染とリーシュマニア原虫感染では、CD4+T細胞のT細胞受容体刺激に対するIL-2産生低下やIL-27産生は観察されなかった。また、Myd88 KOマウスやTRIF KOマウスでもマラリア原虫感染によりCD4+T細胞のIL-2産生低下とIL-27産生が観察され、IL-27産生CD4+T細胞の誘導にはToll様受容体の刺激伝達は関与しないと考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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