研究課題
種痘様水疱症関連リンパ腫は、2008年に改訂されたWHOのリンパ腫分類にて、新たに定義づけられたEBV陽性のT細胞性腫瘍である。この種痘様水疱症関連リンパ腫患者5例に対してアレイ(Comparative genomic hybridization) CGH解析を行い、複数の共通する遺伝子欠損・増幅領域を見出した。解析したすべての患者で欠損していた遺伝子“X”は、これまでの文献報告から推定される機能と併せ、がん抑制遺伝子である可能性があった。また、全ての患者で増幅が見られた遺伝子座17q21.3にはリンパ球のhomingに関連する遺伝子“Y”が含まれており、種痘様水疱症関連リンパ腫に見られる特徴的な水疱疹形成・腫瘍の転移に関与している可能性が考えられた。多数例の種痘様水疱症関連リンパ腫患者に対して、Multiplex Ligation Probe Amplification (MLPA) 解析により、遺伝子の欠損・増幅の確認を行ったところ、遺伝子XおよびYのいずれも欠損・増幅は認められなかった。更に、腫瘍細胞からRNAを抽出し、RT-PCR法により該当遺伝子の発現を調べたが、発現の減弱・亢進も認められなかった。以上より、アレイCGHで抽出された2つの遺伝子異常は偽陽性であり、種痘様水疱症関連リンパ腫とは関連がないと考えられた。次いで、種痘様水疱症関連リンパ腫および細胞株に対して、患者検体次世代シーケンサーを用いた全エキソン解析を行った。いくつかの疾患関連候補遺伝子が抽出された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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