研究課題
基盤研究(B)
平成25年度ではDCIR2欠損cDCsの機能解析について検討した。具体的には野生型(WT)マウス、DCIR2欠損マウスの脾臓から分離したCD4+cDCsについて、細胞表面分子(MHC分子、共刺激分子、CD11c等)の発現解析、各種Toll-like receptor (TLR)リガンド(LPS、CpG、poly I:C)刺激によるサイトカイン産生能と細胞内シグナル伝達の解析、抗原特異的T細胞機能制御能(T細胞活性化能、分化誘導能)の解析を行った。その結果、WT cDCsと比較して、 DCIR2欠損 cDCsでは細胞表面分子(MHC分子、共刺激分子、CD11c等)の発現と抗原特異的T細胞活性化能には差異は認められなかった。一方、TLRリガンド(LPS、CpG、poly I:C)刺激後、WT cDCsのサイトカイン産生(IL-12p40、TNF-a、IFN-b)の産生と細胞内シグナル伝達分子(ERK、p38、SAPK/JNK、NF-κB、IKK-α/β)の活性化と比較して、DCIR2欠損 cDCsでは増強していた。さらに、TLRリガンド(LPS、CpG、poly I:C)刺激による活性化では、WT cDCsと比較してDCIR2欠損 cDCsでは抗原特異的T細胞分化誘導能(IFN-γ産生TH1細胞、IL-17産生TH17細胞)の亢進が認められた。以上の結果から、DCIR2はcDCsのTLRリガンド刺激による活性化に対して抑制機能を示すことが考えられた。
2: おおむね順調に進展している
研究課題申請書の年度計画に従って、研究の進捗が認められた。
平成26年度では、以下の解析を行う。2. 定常状態でのDCIR2欠損マウスの免疫学的性状解析3. 炎症反応でのDCIR2欠損マウスの機能解析4. DCIR2欠損マウスの抗原特異的T細胞免疫応答の解析
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J. Immunol.
巻: 190 ページ: 6071-6082
10.4049/jimmunol.1202798
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/meneki/