研究課題
ST101 誘導体を創製し、パッチクランプ法を用いてT型カルシウムチャネル活性化作用を指標にして、シーズとしての最適化を図った。その結果、さらに活性の強いEthyl 2’,3’-dyhydro-8-methyl-2’,4-dioxo-2-peperidinospiro [2-cyclopentene-1,3’-imidazo[1,2-a]-pyridine]-3-carboxylates (SAK3) を創製した。海馬シナプス伝達長期増強 (LTP)の誘導に対する効果を比較すると、ST101 は海馬LTPに対して効果を示さないのに対して、SAK3 は有意にLTPを促進した。同様に、海馬 LTP の誘導に必須の Ca2+/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ II (CaMKII)の海馬での活性に対して、ST101は影響しないのに対して、 SAK3 は有意に増強した。嗅球摘出マウスの行動薬理試験においてもSAK3は急性投与で認知機能を改善した。アルツハイマー病モデルマウス(APP23) のアミロイドベータ蛋白質の発現に対する効果を検討した。 SAK3 の2ヶ月間の慢性経口投与はアミロイドベータ蛋白質のレベルを有意に低下させた。今後は、慢性投与APP23マウスの大脳皮質の遺伝子のマイクロアレイ解析により、アミロイドベータ蛋白質産生抑制にメカニズムを追究する。
1: 当初の計画以上に進展している
電気生理実験および細胞実験において、SAK3 のST101に対する優位性のPOCを取得した。さらに、アルツハイマー病モデル動物 APP23 マウスでアミロイドベータ蛋白質産生抑制のエビデンスを得ることができた。
慢性投与APP23マウスの大脳皮質の遺伝子のマイクロアレイ解析により、アミロイドベータ蛋白質産生抑制にメカニズムを追究する。さらに、ラットをもちいた薬物動態試験により、脳内動態を明らかにすることで ST101 に対する優位性を証明する。
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