ストレプトゾトシン糖尿病ラットに、前年度までに作成した修飾RAGEあるいはコントロールアプタマーを腹腔内に投与し、下記の項目について検討をおこなった。 1.腎機能、腎重量、血圧などに及ぼす影響を検討する(1、3、5ヶ月目)。 2.尿中微量アルブミン量、蛋白尿ならびに尿中ネフリン排泄や尿細管障害マーカー排泄に及ぼす影響を測定する(1、3、5ヶ月目)。 3.微量アルブミン尿の出現やポドサイトの障害には、酸化ストレスの産生や炎症反応が関わることが知られている。そこで、酸化ストレスマーカーである8-OHdGの尿中排泄量や腎組織におけるVEGF、MCP-1の発現をELISA法やreal-time PCRならびにwestern blotを用いて検討する(1、3ヶ月目)。 4.組織学的に糸球体硬化症や尿細管間質病変に及ぼすAGE-アプタマーの効果について検討する。合わせてポドサイトロスの程度や足突起の癒合についても形態学的な検討を加える(3、5ヶ月目)。 5.RAGE-アプタマーの投与により、組織でのAGEや RAGEの発現レベルが低下し、情報伝達を担う分子であるNADPHオキシダーゼの発現やNF-κBの活性化が抑制されているかどうかを免疫染色法、real-time PCR、western blot、酵素法などで検討する(3、5ヶ月目)。
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