研究課題
日本社会の高年齢化に伴い、がん罹患者数、そして、がん患者死亡者数も増加してきている。そのため、治療可能な早期の段階のがんを簡便、かつ、非侵襲的に発見できる診断法の開発が必要とされている。そこで、本研究ではガスクロマトグラフ四重極型質量分析計、液体クロマトグラフトリプル四重極型質量分析計、イオンペア液体クロマトグラフトリプル四重極型質量分析計の3種の分析プラットフォームによる、消化器がん患者に対する包括的な血清代謝プロファイリング研究を実施し、代謝物プロファイルに基づいた新たながん診断法の確立を目的とした。平成28年度は、平成26年度から平成27年度にかけて構築した代謝物分析システムを用いて、膵がん患者血清と健常者血清の分析を実施した。さらに、その分析結果に基づいて、新たな診断システムの確立を実施した。トレーニングセットにおいて、膵がん患者と健常者との間の有意差検定を行った結果、有意な変動を示す75種類の代謝物を見出した。この75種類の代謝物分析結果を、単回帰モデル、あるいは、多重ロジスティック回帰分析に供し、各モデルの感度、特異度について評価したが、単回帰モデルでは、高い精度を持つ代謝物は見出せず、多重ロジスティック回帰分析においては、これまでの我々の研究成果と同程度の感度、特異度であった。そこで、より診断能の高いモデルについて検討し、2-phase screening法という、2つの診断能の高い単代謝物診断モデルを組み合わせた新たな診断モデルを提唱できた。この新規モデルでは、感度、特異度が、これまでの研究成果よりも高い値を示し、血清中代謝物データに基づく新たな診断法としての可能性を明らかにすることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biomarkers in Medicine
巻: in press ページ: in press
in press
Metabolomics
巻: 12 ページ: 1-9
10.1007/s11306-016-0988-7
http://www.med.kobe-u.ac.jp/metabo/index.html