研究課題
[川崎病巨大冠動脈瘤合併症例の遺伝学的解析]平成27年度~28年度に新たに16例の川崎病巨大冠動脈瘤合併症例試料の収集に成功した.これらに関する全エクソーム解析を実施し、前年度までに解析を実施した31例と合わせ、合計47例についての、遺伝子のタンパクコード領域およびエクソン周辺領域のバリアント(298,248箇所)の情報を得た。バリアントの絞り込みに関し、タンパクのアミノ酸配列の変化をもたらす非同義置換は全て候補に含めるとした前年度の方針を見直し、遺伝子発現や遺伝子産物の機能への影響が大きいと予測されるものに焦点をあてることとした。この予測にはCombined Annotation Dependent Depletion (CADD)ツールを用い、ESP6500, 1000genomes, 東北メディカルメガバンク,HGVD,インハウスのデータベース内におけるアレル頻度の確認を行った。CADDの予測スコア20以上(予測される遺伝子機能への影響の大きさが全バリアントの上位1%以内)であり、上記データベースに登録がないかアレル頻度が川崎病罹患者中における巨大冠動脈瘤の合併頻度(0.03%)を下回るものの抽出を行った結果、合計5,389箇所に絞り込まれた。続いて遺伝子へのバリアントの集積状況を遺伝子毎にタンパクコード領域長あたりに見出されたバリアントのマイナーアレルの延べ数で評価した。その結果、PRPF40B(0.056/base),MIER3(0.014/base)を筆頭に冠動脈瘤形成およびその巨大化のメカニズムに関わる可能性の高い遺伝子を、有害バリアント数の集積の程度でランク付することができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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