研究課題
老年者のフレイルティの表現型として幾つかの指標を取り上げ、その臨床疫学的意義について明らかにした。開眼片足立ち時間の短縮と握力の低下が簡便なフレイルの指標となることを明らかにした。このフレイルスコアは、年齢や血圧、耐糖能異常といった既知のリスク因子とは独立して動脈硬化(脈波伝播速度)や認知機能の低下と関連したことから、ベッドサイドで簡便に使用可能なリスクスコアであるといえる。適度な飲酒が循環器疾患リスクを減少させる背景にHDLコレステロールの増加があることが示唆されているが、両者の関係には多くの交絡因子が介在するため明確な結論は得られていない。そこで日本人で飲酒量を強く規定するアルデヒド脱水素酵素の遺伝子多型を用い、メンデルランダム化解析から飲酒量がHDLコレステロールを増やすことを明らかにした。同様の解析から飲酒はLDLコレステロールの減少とも関連した。しかし、脂質亜分画で検討すると、LDLコレステロールのうちsmall dense LDLは増加し、large bouyant LDLのみが減少していたことから、飲酒はLDLの総量は減らすものの質は悪化させることを明らかにした。加齢にともなって血圧日内変動の異常は増加するが、その一つの表現型である夜間の血圧増加には、睡眠時無呼吸に加えてBNPが独立した因子であることを明らかにした。食塩感受性による体液量の貯留亢進と圧利尿の促進が夜間血圧を高める要因であると考えられた。一方、高齢者に同様に頻回に観察される起立性血圧障害についての検討では、起立性高血圧は仮面高血圧と、起立性低血圧は白衣高血圧者と強く関連したことから、高齢者では複数の血圧調節障害が相互に密接に関連しているといえる。研究成果の詳細ならびにその他の業績については、論文発表を参照。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 19件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 19件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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