研究課題/領域番号 |
25293150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古川 壽亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90275123)
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研究分担者 |
米本 直裕 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (90435727)
山崎 信幸 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80511360)
渡辺 範雄 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (20464563)
下寺 信次 高知大学, 医歯学系, 准教授 (20315005)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / ICT / 生活習慣病 |
研究概要 |
平成25 年度にはまずイントロダクション、行動活性化、認知再構成、アサーションの4つのモジュールからなるスマートフォンを利用した普及型認知行動療法アプリケーションを作成した。そして12 名の軽症うつ病患者を対象としたオープン・パイロット試験を行った。結果、①第5セッションまでの完遂率は12/12で100%、エピローグまでの完遂率は9/12で75%、②平均で、こころの仕組み図8個、行動活性化9個、認知再構成6個の記入をしてくださった、③セッションごとの平均所要日数は10日(7~18日)であった、④BDIで減少率37%、K6で減少率18%と、抑うつ症状の有意味な改善が見られた。 質的インタビューでは、「行動活性化のページで、自分でもやれたって思って達成感があった。 できれば、行動のリストがもっとたくさんあったらいい」「事実レンズで、「~~でも~~」と言ってもらえたら、すごく納得できた」「文章量はこれで良いと思う」「自動思考が合っている時もあるのにと思っていたので、この回でやっとそれにどう対応すればいいかがわかった」「すぐ次に行けず「1週間後」が楽しみです」「何度か繰り返しで出てくるので、よく理解できます」「まとめが最初に出てくるのが非常に思い出しやすいです」「私は全然認知行動療法のことは聞いたことがなかったのですが、私でも出来ましたから、とてもよく出来ているのだと思います」などとおおむねポジティブなフィードバックをいただくと同時に、いくつかの改善点も指摘され、今後プログラムとしてのブラッシュアップを図りたい。とくに問題解決技法、睡眠行動療法といったエッセンシャルなモジュールの作成が必要となろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画であった、①スマートフォンによる普及型認知行動療法プログラムの開発、②20名程度の患者を対象に、操作性および受容性、効果を確認するためのオープン・パイロット試験については、ほぼ期待した結果が得られた。しかし、同時にさらにブラッシュアップが必要な点も浮き彫りになったことは、ある意味当初計画どおりであり、また次年度への課題でもある。
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今後の研究の推進方策 |
まず上記のブラッシュアップを行った上で、平成26年度以降に行う予定のRCTのプロトコル、および手順書(Standard Operational Procedures)を確定し、倫理委員会の審査を受ける。評価者盲検化、並行群間比較、多施設共同無作為割り付け臨床試験を予定しているが、実施可能性の観点からとくに対象者の選択が重要であると考えている。
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