研究課題
胎児期は化学物質への感受性が高い時期であるが、生体内半減期の短い非蓄積性殺虫剤のリスク評価に必須な曝露と影響の実態の把握が遅れている。本研究では、1)妊娠中の尿中殺虫剤またはその代謝物濃度の測定による曝露実態および、2)尿中代謝物量と児の成長・発達との関連を明らかにすることを目的とする。2015年度は前年に引き続き妊娠中の尿中殺虫剤またはその代謝物濃度を測定した。また、尿中濃度の変動に着目し、変動要因のひとつとして代謝過程の関与が考えられるため、有機リン殺虫剤について、代謝酵素であるパラオキソナーゼの遺伝子多型及び血中酵素活性の影響を、曝露量の多い集団において検討した。血中酵素活性が尿中代謝物濃度の変動に関与することが明らかになった。さらに、コホート参加児を対象とした将来の殺虫剤曝露の検討に向けて、3歳児における横断的な予備的検討を行った。個人間の濃度差は最大数十倍~数百倍であり、成人と同様の傾向であった。児の成長・発達との関連についてのコホートからの調査結果の発表までには時間を要するが、上記の結果を今後の検討において念頭に置く必要が明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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