石綿発がんに関連した論点を整理した。まず石綿の発がんはもっぱらアンフィボールとする、Amphibole Hypothesisは、肺がんでは成立しないと考えられた。第2に作業環境中と肺組織内での石綿繊維種が逆転するChrysotile/Tremolite Paradoxについては、作業場での浮遊、気道末梢までの到達、気道排泄性、酸性化したホルマリンでの溶出の4つの説明が考えられた。第3の鉱山労働者に比べ、その石綿を原料とする紡績・織布工場作業者のがんが多いという、Texti1e Mysteryは石綿曝露評価を粉塵重量濃度から繊維本数濃度へ換算したことが影響している可能性が考えられた。
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