研究課題/領域番号 |
25293156
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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研究分担者 |
斉藤 雅茂 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (70548768)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的孤立 / 地域包括ケア / 孤立予防 / 健康アウトカム |
研究実績の概要 |
平成26年度は,自治体の地域包括ケアの重点的孤立予防策の一つである見守りキーホルダー事業(以降,事業)の孤立予防策としての有効性の検証を目的に以下の4つの調査を実施した;調査1)大田区大森地区の地域包括支援センター(以降,センター)1事業所をモデル地区と設定し,同センターにて事業へ新規登録および更新した者を対象に,簡易版聞き取り調査を実施した;調査2)自治体が蓄積した通報事例の台帳を分析し,緊急対応のツールとしての利用状況と課題を検証した;調査3)平成25年度に実施したモデル地区での悉皆調査のデータを活用し事業の普及状況と利用関連要因を検討した;調査4)大田区内5行政区に位置する地域包括6事業所の職員を対象とした面接調査を実施し,地域包括による事業の活用状況を検証した。 調査3より事業利用者の主な特徴が明らかになった(女性、後期高齢者、独居者、非孤立者、IADL非自立者)。調査4より,センターは独居高齢者,前期高齢者,および社会的孤立者への事業の普及を目指していることが明らかになった。これらの結果を踏まえ,利用が少ない前期高齢者や孤立者の利用を広めていくことが今後の課題と考える。 調査1,2,3より見守りキーホルダーは、警察,医療機関,および交通機関など専門機関には周知がすすみ,高齢者の身元不明時に対応するシステムとして有効であることが明らかになった。一方で,キーホルダーを財布や鞄の中にいれる高齢者も少なくないことから,一般住民には活用されづらい可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の見守りキーホルダー事業に関連した調査1~4については、概ね順調に遂行することができた。 一方、平成26年度には,第1回調査(平成23年度実施)以降の死亡者の死因情報に関する情報の収集を予定であったが,国への申請手続きの準備が遅れたため実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,板橋区と大田区にて社会的孤立と健康アウトカムに関するコホート第3回調査を実施する(5月~12月実施予定)。 一連の調査より、①重層的孤立予防の枠組みの妥当性、ならびに地域包括ケアシステムを現場職員が戦略的に推進する際の②孤立指標の地域診断のツールとしての有用性およびキーホルダーの介入ツールとしての有用性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末にデータ分析にかかる人件費を多めに見積もったために繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度は計画通り執行する。また,繰越金は研究計画の想定内である。
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