研究課題
本研究は、孤立と健康アウトカムの因果関係および心理・社会・医学的指標が媒介する機序を明らかにすることを目的として、以下の研究を実施した。社会的孤立と健康アウトカムに関するコホート調査として、第3回大田区調査(2015年:社会的接触と精神的健康および高次生活機能の関連に着目した) 及び板橋区調査(2015年:社会的接触と身体機能、栄養、認知機能の関連に着目した)を実施した。第2回調査(2013年)をベースラインとした両地区の2年間および1年間の縦断データをもとに交差遅延効果モデルを用いた検証を行った結果、前期高齢者と後期高齢者ではモデルに差異が認められた。具体的には、前期高齢者では、「社会的接触」は2年後の「精神的健康」に有意な正の影響を及ぼすことが示された。一方、後期高齢者では、「社会的接触」が2年後の「高次生活機能」に有意な正の影響を与えることが示された。次に、大田区調査の独居高齢者を対象に「死亡」に対する地縁サポート資源(S①:心配事や悩みを聞いてくれる人、S②:気を配ったり思いやったりしてくれる人、S③:2~3日寝込んだ時に看病や世話をしてくれる人)の緩衝効果を検証した結果、「がん死亡群」は「生存群」よりもS①~③のすべてのサポート源がない人の割合が有意に高いことが示された。「循環器疾患死亡群」は「生存群」よりもS①~②のサポート源がない人の割合が有意に高いことが示された。更に、3年間の縦断データの分析結果を踏まえて、孤立と健康アウトカムの因果関係を検証するとともに、その機序を解明することで孤立を評価するための指標を作成した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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