研究課題/領域番号 |
25293165
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 光令 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90301142)
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研究分担者 |
佐藤 一樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60583789)
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
笹原 朋代 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70528223)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 緩和ケア / 質 / 評価 / レセプト |
研究実績の概要 |
遺族調査に関しては、昨年度の調査結果をもとに遺族調査用の調査用紙を確定した。研究計画の倫理委員会の承認を得た。死亡小票から遺族の住所情報を得るため行政機関と交渉中である。 レトロスペクティブ・コホート研究による緩和ケアの質の評価指標に関しては288人の遺族調査データに対して後ろ向き診療記録調査を実施し、データ解析を行った。その結果、診療記録から取得できた質の評価指標と遺族の評価にはほとんど関連が見られなかった。 医療費支払いデータベースを用いた緩和ケアの質評価に関しては東北大学病院で2010年~2012年に死亡した5大がん患者311人(一般病棟164人、緩和ケア病棟147人)のDPCデータの分析を行った。死亡前30日以内の化学療法は一般病棟死亡では27%、緩和ケア病棟死亡では0%であり、延命処置は一般病棟死亡3%、緩和ケア病棟死亡0%であった。DPCデータでがん終末期医療の質の評価を行うことが可能であることがわかったが、同時にその分析の限界も明らかになった。また、別途、国のレセプト情報であるNDBのサンプリング・データセットの提供を受け分析を開始した。 緩和医療の提供体制の評価に関してはがん診療連携拠点病院の現況報告のデータをインターネットから取得し、それを再入力し分析中である。また、医師・看護師が緩和医療提供体制を評価するためのアンケート用紙をWEB調査にて開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
受療行動調査の分析は予定どおりH25年度に終了した。遺族調査に関しては行政側から住所データの提供許可が下りず、予定より遅れている。レトロスペクティブ・コホート研究は予定より早くH26年度に終了した。医療費支払いデータベースはほぼ予定通り進行している。緩和医療の提供体制の評価は拠点病院の現況調査結果が用いることができるようになったのでそれを用いれば当初の目的が達成できると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
遺族調査に関してはもし最終的に行政側から住所データの提供許可が下りなかった場合には、H26年度に別途実施した1万人規模の大規模な遺族調査の結果を用いて質の評価のための分析を行うことを検討する。医療費支払いデータベースであるNDBデータでは、十分な分析が行なえない可能性が高いため、DPCデータの大規模データベースを用いた解析も計画することにした。緩和医療の提供体制の評価は今後H26年度データを再度取得・入力し分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺族調査の住所データの提供許可が下りなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度請求額と合わせ、全国的遺族調査を遂行するために使用する予定である。
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