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2014 年度 実績報告書

ピロリ菌関連疾患に対する個別化医療への取り組み

研究課題

研究課題/領域番号 25293168
研究機関東京大学

研究代表者

松田 浩一  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90401257)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードSNP
研究実績の概要

ヘリコバクター・ピロリ菌は日本人の約半数に感染が見られる、最も頻度が高い病原性細菌の一つである。我々は全ゲノム関連解析によってピロリ菌によって生じる疾患発症にPSCAの遺伝子多型が深く関与することを明らかとした。しかしながら、これらの遺伝子の違いが疾患の発症を制御する分子メカニズムはまだ十分に明らかになっていない。本研究では、研究期間内に以下の項目を明らかにすることを目標としている。まず全ゲノム関連解析や候補遺伝子解析によるピロリ菌関連疾患感受性遺伝子の同定と、ピロリ菌感染者における疾患発症リスク予測システムの構築を目指す。またPSCA遺伝子多型による胃癌、十二指腸潰瘍発症の制御機構の解明、さらにはPSCAが癌治療の標的となりうるかについて検討をすすめていく。
平成26年度までに、PSCA多型が胃潰瘍及び膀胱がん、肺がんの発症に関わる事を明らかとした。また血中PSCAの測定系を構築し、がん患者において血中PSCAが高値となることを示した。平行して個別化医療の実践を目指し、内視鏡検査を受診した患者の血液由来のDNAおよぼ生検組織の収集を進めており、これまでに350名分の試料が収集された。内50名を超える患者では除菌後の試料も収集しており、現在組織からのRNA及びDNAの精製を進めている。これまでの約350例の解析結果から、胃粘膜組織におけるPSCAの発現とPSCAの遺伝子多型が関連を示すことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでにPSCA遺伝子多型が胃がん、十二指腸潰瘍だけでなく、胃潰瘍及び膀胱がん、肺がんなど様々な疾患のリスクと関連を示すことが示された。また一部のがん患者でPSCAが高値となることが明らかとなり、PSCAは複数のがんの発症に寄与することが示された。PSCAは膜タンパク質であることから、PSCAが発がん、潰瘍形成における有用なバイオマーカとなりうるだけでなく、治療標的になりうる事が示唆された。
さらにPSCA多型と遺伝子発現が有意な相関を示したことから、PSCA多型が遺伝子発現制御に寄与することで、疾患発症に関わる事が示唆された。

今後の研究の推進方策

これまでにPSCA遺伝子多型が胃がん、十二指腸潰瘍だけでなく、胃潰瘍及び膀胱がん、肺がんなど様々な疾患リスクと関連を示すことが示された。また一部のがん患者でPSCAが高値となることが明らかとなり、PSCAは複数のがん発症に寄与することが示された。PSCAは膜タンパク質であることから、PSCAが発がん、潰瘍形成における有用なバイオマーカとなりうるだけでなく、治療標的になりうる事が示唆された。
さらにPSCA多型と遺伝子発現が有意な相関を示したことから、PSCA多型が遺伝子発現制御に寄与することで、疾患発症に関わる事が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Genome-wide association study identified SNP on 15q24 associated with bladder cancer risk in Japanese population.2015

    • 著者名/発表者名
      Matsuda K, Takahashi A, Middlebrooks CD, Obara W, Nasu Y, Inoue K, Tamura K, Yamasaki I, Naya Y, Tanikawa C, Cui R, Figueroa JD, Silverman DT, Rothman N, Namiki M, Tomita Y, Nishiyama H, Kohri K, Deguchi T, Nakagawa M, Yokoyama M, Miki T, Kumon H, Fujioka T, Prokunina-Olsson L, Kubo M, Nakamura Y, Shuin T.
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet.

      巻: 24 ページ: 1177-1184

    • DOI

      10.1093/hmg/ddu512

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of novel epigenetically inactivated gene PAMR1 in breast carcinoma.2015

    • 著者名/発表者名
      Lo PH, Tanikawa C, Katagiri T, Nakamura Y, Matsuda K.
    • 雑誌名

      Oncol Rep

      巻: 33 ページ: 267-273

    • DOI

      10.3892/or.2014.3581

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Late Cornified Envelope Group I, a novel target of p53, regulates PRMT5 activity2014

    • 著者名/発表者名
      Deng Z, Matsuda K, Tanikawa C, Lin J, Furukawa Y, Hamamoto R, Nakamura Y.
    • 雑誌名

      Neoplasia

      巻: 16 ページ: 656-664

    • DOI

      10.1016/j.neo.2014.07.008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Large-scale genetic study in East Asians identifies six new loci associated with colorectal cancer risk2014

    • 著者名/発表者名
      Zhang B, Jia WH, Matsuda K, Zheng W. et al.
    • 雑誌名

      Nat Genet

      巻: 46 ページ: 533-542

    • DOI

      10.1038/ng.2985.

    • 査読あり
  • [学会発表] BioBank Japan Project for personalize medicine2014

    • 著者名/発表者名
      Koichi Matsuda
    • 学会等名
      The 73rd Annual Meeting of the Japanese Cancer Association
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27
    • 招待講演
  • [学会発表] バイオバンクジャパンについて2014

    • 著者名/発表者名
      松田浩一
    • 学会等名
      第103回 日本病理学会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2014-04-25 – 2014-04-25
    • 招待講演
  • [学会発表] PSCA as a potential therapeutic and prognostic biomarker for common cancer2014

    • 著者名/発表者名
      Koichi Matsuda
    • 学会等名
      AACR annual meeting
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2014-04-05 – 2014-04-09

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公開日: 2016-06-01  

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