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2015 年度 実績報告書

非アルコール性脂肪肝炎におけるlipotoxicityによる病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25293175
研究機関横浜市立大学

研究代表者

中島 淳  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30326037)

研究分担者 斉藤 聡  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00275041)
今城 健人  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30600192)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード非アルコール性脂肪肝炎
研究実績の概要

[目的]飽和脂肪酸はin vitroで肝細胞アポトーシスを起こし,非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis: NASH)病態に関与するとされる.しかしin vivoでの単一飽和脂肪酸の肝臓への影響を検討した報告はない.今回,飽和脂肪酸であるパルミチン酸単独が引き起こす肝臓への影響について検討した.シグナル経路は自然免疫を惹起するパターン認識受容体のTLR4経路に着目した.
[方法] C57BL/6J野生型マウス,TLR4KOマウス,高脂肪負荷マウスに右内頸静脈よりカテーテルを挿入後,乳化パルミチン酸を投与した.
[結果] 短期投与モデルでは,パルミチン酸投与群の肝臓でALT上昇を認めずともαSMA領域上昇と,cxcl2・ccl2を介した好中球エラスターゼ・F4/80陽性細胞浸潤を認めた.In situ hybridization,初代培養肝細胞,clodronate liposomes投与の検討でcxcl2は肝細胞,ccl2はKupffer細胞から発現すると示唆された.長期投与モデルではαSMA発現の上昇と肝線維化を示した.TLR4 KOマウスでは各種変化はキャンセルされる傾向にあった.高脂肪食負荷マウスでは血中endotoxinの上昇を認め,パルミチン酸投与のみでALTの上昇と線維化シグナルの増強を認めたが,腸管滅菌後では,パルミチン酸投与によるALT上昇はキャンセルされた.一方,普通食負荷マウスではパルミチン酸+LPS投与で,各々の単独投与に比較して好中球とマクロファージの相乗的増悪効果によりALTが上昇することを,炎症細胞を除去して解析した.
[結語] 今回,in vivoで単一飽和脂肪酸の影響を評価するマウスモデルを確立した.パルミチン酸単独投与がTLR4経路を介した自然免疫応答により炎症細胞浸潤および肝線維化というNASH病理像を呈し,また,パルミチン酸が血中エンドトキシンと相互作用を持つことを示した.この機序の解明が,NASHにおける自然免疫を介したlipotoxicityの解明につながると考える.

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Selective SGLT2 Inhibitor Ipragliflozin Has a Therapeutic Effect on Nonalcoholic Steatohepatitis in Mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Honda Y, Imajo K, Kato T, Kessoku T, Ogawa Y, Tomeno W, Kato S, Mawatari H, Fujita K, Yoneda M, Saito S, Nakajima A.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 5 ページ: e0146337

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0146337. eCollection 2016

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Magnetic Resonance Imaging More Accurately Classifies Steatosis and Fibrosis in Patients with Nonalcoholic Fatty Liver Disease Than Transient Elastography.2016

    • 著者名/発表者名
      Imajo K, Kessoku T, Honda Y, Tomeno W, Ogawa Y, Mawatari H, Fujita K, Yoneda M, Taguri M, Hyogo H, Sumida Y, Ono M, Eguchi Y, Inoue T, Yamanaka T, Wada K, Saito S, Nakajima A.
    • 雑誌名

      Gastroenterology

      巻: 150 ページ: 626-637

    • DOI

      10.1053/j.gastro.2015.11.048.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Resveratrol ameliorates fibrosis and inflammation in a mouse model of nonalcoholic steatohepatitis.2016

    • 著者名/発表者名
      Kessoku T, Imajo K, Honda Y, Kato T, Ogawa Y, Tomeno W, Kato S, Mawatari H, Fujita K, Yoneda M, Nagashima Y, Saito S, Wada K, Nakajima A.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 6 ページ: 22251

    • DOI

      10.1038/srep22251

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] パルミチン酸単独投与による自然免疫応答を介した肝線維化についての検討2015

    • 著者名/発表者名
      小川 祐二、本多靖、結束貴臣、留野渉、今城健人、馬渡弘典、藤田浩司、斉藤聡、中島淳
    • 学会等名
      第51回日本肝臓学会総会
    • 発表場所
      ホテル日航熊本・熊本ホテルキャッスル・鶴屋東館(鶴屋ホール・くまもと県民交流館パレア)・同仁堂(熊本)
    • 年月日
      2015-05-21 – 2015-05-22

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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