ヒトiPS細胞の肝細胞への分化において、サイトカイン類に加えバルプロ酸を添加することにより分化効率及び成熟化が促進することが明らかとなった。さらに、三次元培養法によって肝細胞はスフェロイド を形成し、肝細胞マーカー及び主要な薬物代謝酵素であるCYP3Aの遺伝子発現 は、二次元培養法と比較し顕著に高かった。このスフェロイドを浮遊培養し、高度免疫不全のTK-NOGマウスにガンシクロビルを投与、肝障害が確認されたのちに、分化した肝細胞(スフェロイド)を門脈経由で移植した。その結果、ヒトiPS細胞由来肝細胞単独を移植した群で一過性のヒトアルブミンの分泌を確認できた。
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