研究課題
我々は、心筋前駆細胞移植床を移植4週間後に、心筋新生の多い部位からレーザーマイクロダイセクション方により心筋組織を採取してショットガン分析を行い、移植群でのみ検出された蛋白を同定していたが、その中でaldehyde dehydrogenase 2に注目した。aldehyde dehydrogenase 2は、活性型アルデヒド解毒作用による心筋保護作用、活性型アルデヒドによるDNA傷害の軽減作用が報告されており、ヒト臍帯血、造血組織、骨格筋、乳腺組織などの種々の組織幹細胞においてaldehyde dehydrogenase 2を含む様々なアイソザイムが高発現している。Western blotting法により、aldehyde dehydrogenase 2は非移植群の梗塞部に比較して心筋前駆細胞移植床移植群の梗塞部において高発現していた。次に、心筋前駆細胞にaldehyde dehydrogenase 2が蛋白レベルで発現していることを確認し、反応性アルデヒドによる心筋前駆細胞の細胞傷害および、DNA損傷の軽減効果についてALDH2活性化剤の直接作用について検討したが、有意な効果はなかった。タモキシフェン誘導型多色標識(rainbow)マウスを用いた同一色の心筋細胞コロニー数とBrdU陽性心筋細胞数の解析を継続した結果、両者ともに正常マウスに比較して心筋梗塞モデルマウスで増加しており、既存の心筋細胞の分裂増殖能の定量解析が可能であった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Plos One
巻: 11 ページ: e0156562
10.1371/journal.pone.0156562