研究課題
この血管壁と血管周囲脂肪組織における慢性炎症の起点となるインフラマソームの活性化を可視化する手段の開発を開始した。インフラマソームが活性化すると、Caspase1 (ICE, Interleukin-1β変換酵素) が活性化する。このCaspase1活性をFRET(fluorescence energy transfer)現象を用いて可視化することを図った。青色蛍光タンパクCFPと黄色蛍光タンパクYFP をICE認識配列であるY E V D G W というアミノ酸配列を含んだリンカーによって結合したFRETコンストラクトを作成し、その感度、特異度を培養細胞を用いて確認した。Caspase1によって認識されるYEVDGW をCFP(青色蛍光タンパク)とYFP(黄色蛍光タンパク)間に挟んだFRETタンパクを発現するコンストラクトを pcDNA3発現ベクターに組み込んだ。蛍光タンパクとして、CFPΔC11とcp173Venusの組み合わせがFRET効果が最大であった。YEVDGW配列を一個ならびに、二個、三個含む組み換え型タンパク質をCasepase1 で一時間処理すると、YEVDGW配列を二個ならびに三個含むコンストラクトにおいて、発光スペクトラムが変化し、FRET効果を反映して、蛍光が黄色から青色に変化することを確認した。次に、YEVDGW配列を三個含むタンパクを発現するプラスミドSCAT1.43をRAW264.7細胞にNucleofection を用いてトランスフェクションした。そののち、stable line を6株樹立した。1 ng/ml のLPS2時間刺激後に、1mMのATPを負荷した。425nmのレーザー光で励起した時の放出光を解析したところ、わずか30分でCFP/YFPの上昇が認められ、Caspase1 の活性化を可視化することに成功した。
2: おおむね順調に進展している
順調に計画は進行して、DNAコンストラクトの作製に成功し、その特異性を確認することができた。
細胞レベルにおいて、提案した手法が有効であることを確認できた。今後は、インフラマソーム活性を効率的に可視化するトランスジェニックマウスのラインを樹立、増殖して、疾患モデルにおける慢性炎症の病態解明に応用する。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 謝辞記載あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
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