研究課題
慢性炎症の起点となるインフラマソームの活性化をCaspase1活性 で評価する系の確立を目指している。青色蛍光タンパクCFPと黄色蛍光タンパクYFP をCaspase1の認識配列であるYEVDGW というアミノ酸配列を含んだリンカーによって結合したFRETコンストラクトを作成し、大腸菌に発現させた遺伝子組み換えタンパクを用いて、in vitro の実験を繰り返した。YEVDGW配列を三個含むコンストラクトが感度が最も良かったが、特異度に問題があった。そこで、リンカーをYVADGPに変更したところ、Caspase1のみで切断されることを確認した。次に、このコンストラクトSCATva 1.43を発現するStable cell line をRAW264.7,THP-1, J774.1 で得た。PMA,LPS, Nigericinで刺激するとIL-1βは培地中に大量に分泌されたが、コンストラクトタンパクは切断されていないことが判明した。そこで、方針を一大転換して、proIL-1βをセンサーにして、切断をうけると蛍光物質cp173Venusが核に移行するようなコンストラクトを作製した。しかし、このコントラストを強制発現させるだけで、無刺激下においても細胞毒性があることが判明した。そのため、pro-IL1βの生理活性を欠損させて、インフラマソーム結合能だけあるコンストラクトを各種作製したところ、N27-N116までに毒性部位があることが判明した。そこで、この毒性部位を欠如したコンストラクトを作製したが、毒性部分にCaspase1によって切断される部位があるため、このコンストラクトではセンサーに使用できないことが判明した。そこで、doxycyclineにより発現を誘導することが可能なpTetOne Vectorにコンストラクトをサブクローニングして、RAW264.7細胞にトランスフェクションして、stable cell line を樹立している。
2: おおむね順調に進展している
コンストラクトの作製ならびに細胞にトランスフェクションしての感度、特異度に関する検討は順調にいった。各種予備実験ののち、十分な特異度を得るため、proIL-1βをセンサーにすることにしたが、このコントラストは強制発現させるだけで、無刺激下においても細胞毒性があることが判明した。そのため、pro-IL1βの生理活性を欠損させて、インフラマソーム結合能だけあるコンストラクトを各種作製したところ、N27-N116までに毒性部位があることが判明した。切断部位はN27とN116であるため、毒性を欠如したコンストラクトでは、pro-IL1βをセンサーに使用できないことが判明した。そこで、doxycyclineにより発現を誘導することが可能なpTetOne Vectorにコンストラクトをサブクローニングして、実験繰り返している。
1)pTetOne-NLS-iSCAT1.7-2NESがdoxycycline で発現を誘導されたのち、炎症活性化刺激で切断され、蛍光物質が核内に移行することを確認する。線状となった発現コンストラクトをFVBマウスの受精卵にマイクロインジェクションし、トランスジェニックマウスの系統を確立し、ホモ化する。2)pTetOne-NLS-iSCAT1.7-2NESトランスジェニックマウスを、動脈硬化モデルであるApoE欠損マウスや、肥満糖尿病モデルである ob/obマウスと交配して、動脈硬化、肥満糖尿病の病態における、血管壁、脂肪組織での慢性炎症の状態を可視化する。3)トランスジェニックマウス作製が当初の予定どおり進んでいないため、他の方法を用いて慢性炎症の活性化機構を探索する。生活習慣病によって細胞死を誘導された、血管内皮細胞、平滑筋細胞ならびに脂肪細胞から放出され、慢性炎症の原因となる物質を同定し解析する。Cell free DNAを中心として、その他の核酸、脂質、糖、尿酸など死細胞から放出される物質が慢性炎症を誘導する機序を細胞ならびにマウスを用いて検討する。また、ヒト動脈硬化病変や脂肪組織を解析し、細胞死と慢性炎症との関連を検討する。死細胞から放出される分子や代謝産物の慢性炎症活性化機構を遺伝子改変マウスを用いて検討する。
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