研究課題
慢性炎症の起点となるインフラマソームの活性化をCaspase1活性でFRETを用いて評価する系の確立を目指しているが、平成26年度実績報告書で報告したとおり研究遂行中に諸々の問題点が明らかとなり解決策を模索した。また、同時期に、同じ系を用いて、他のグループから、細胞レベルでCaspase-1 が活性化すると細胞にはすぐさま細胞死が生じるという論文が出版された(Liu et al. Cell Rep. 2014;8:974-982.)。当初、計画していた低強度の慢性炎症をin vivoで可視化することが困難なことが明らかとなった。そこで、方向転換して、肥満によって脂肪組織と血管壁で無菌的慢性炎症が惹起されるメカニズムの解明に取り組むことにした。ヒトとマウスの両方で、肥満個体は、痩せた個体に比べて、脂肪細胞の変性に関連した血液中の遊離DNA断片の濃度が多く、血液中の遊離DNA断片の量がインスリン抵抗性の指標と相関した。また、変性脂肪細胞から遊離するDNA断片が、本来は細菌由来のDNA断片を認識するToll様受容体9(TLR9)によって認識され、マクロファージを活性化した。実際に、肥満マウスの脂肪組織内では、DNA断片を貪食しているマクロファージを免疫電子顕微鏡で捉えることができた。そして、TLR9欠損マウスでは、野生型マウスと同様の肥満を誘導しても、脂肪組織における炎症が軽度であり、インスリン感受性が保たれていた。骨髄移植により作出した骨髄由来細胞にのみTLR9を発現するマウスでは、脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性が高度であった。また、マウスにTLR9の阻害オリゴヌクレオチドを投与することで、肥満に伴う脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性の発症を抑えることができた。これらの結果から、肥満によって変性した脂肪細胞から遊離するDNA断片が、TLR9を介してマクロファージを活性化することで脂肪組織の慢性炎症とインスリン抵抗性を引き起こすことが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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