肺動脈性肺高血圧症はそれに続発する右心不全は予後不良な病態であり、その成因は不明である。我々は、モノクロタリンによる肺高血圧に続発する右心肥大組織の網羅的解析により、機能不明の20kDの小胞体蛋白質であるTMEM100に注目した。TMEM100は肺高血圧の原因遺伝子であるBMPR2 やALK1の下流で発現制御されていた。 TMEM100の遺伝子欠損マウスは胎生致死であったため、TMEM100ヘテロ欠損マウス、誘導性TMEM100欠損マウスを用いて、肺高血圧誘導実験を実施したが、残念ながらTMEM100の肺動脈性肺高血圧症への関与を支持する結果は本研究期間中には得られなかった。
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