研究課題/領域番号 |
25293190
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
久保 裕司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332504)
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研究分担者 |
加藤 英政 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50292123)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺細胞 / 呼吸器病学 / 遺伝子発現 / エピジェネティクス / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺胞上皮細胞 / 血管内皮細胞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は, 新規開発したヒト肺細胞分離法を用いて,疾患肺(とくにCOPD肺)より肺胞II型上皮細胞および内皮細胞を分離し,それらの機能・遺伝子発現・エピゲノム修飾と疾患の関係をin vitroで解析することである. 平成25年度にCOPDおよびnon-COPD肺より分離した肺血管内皮細胞を用いて,遺伝子発現とエピゲノム修飾を網羅的に解析した.COPDとnon-COPD内皮細胞間において,遺伝子発現・miRNA発現に差異が認められ,これらの遺伝子発現とエピゲノム修飾がCOPD病態に影響していると考えられた.また,肺胞上皮細胞においてもCOPDとnon-COPD間で機能の違いが認められた. 平成26年度は,以前ヒト肺より分離した肺胞上皮前駆細胞を用いて,COPD肺胞上皮細胞の機能改善を目指した薬剤スクリーニングを行った.その結果,肺胞上皮細胞機能を改善し動物モデルにおいて気腫病変を改善できる方法を開発し,論文として報告した.薬剤スクリーニングからは,いくつかの候補化合物が見つかり,現在のその機能解析とヒト疾患肺を用いた病態への関与を解析中である.また,エピゲノムのコントロールにより肺胞上皮細胞機能の改善が得られることがわかり,動物実験の成果も含め,現在論文を投稿中である.同時に疾患肺由来のヒト肺細胞分離が進み,現在合計153例の検体が得られている.平成27年度は,これらの分離肺細胞も用いながら,難治性肺疾患の病態解明を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト肺血管内皮細胞解析に関しては,計画通り研究が進んでいる.また,肺胞上皮細胞機能改善を目指した新規治療戦略が見出されてきており,in vitroおよびin vivoの系で確認している.ヒト肺細胞の分離においても,順調に検体の蓄積がなされている.
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今後の研究の推進方策 |
疾患肺(とくにCOPD肺)と健常肺での肺細胞機能解析を進めていく.また,集積したヒト肺細胞機能と臨床データの統合を進めていく.同時にオランダLeiden大学との共同研究押し進め,日本では入手困難な進行したCOPD肺(とくに内皮細胞機能に焦点を当て)を用いた解析を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度の成果を論文として発表する過程において,多くの追加実験が必要となり,実施を予定していた次の段階の実験の開始が遅れたため.
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次年度使用額の使用計画 |
現在,論文は再投稿中であり,平成27年度は次の段階に研究を進め,その研究費として使用する.
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