研究課題/領域番号 |
25293192
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
井上 博雅 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30264039)
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研究分担者 |
山崎 晶 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40312946)
猪島 一朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90380419)
寒川 卓哉 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10363623)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 炎症性肺疾患 / 自然免疫 / 獲得免疫 |
研究実績の概要 |
重症喘息やCOPD、肺非結核性抗酸菌症をはじめとする感染症、間質性肺炎などの難治性炎症性・感染性肺疾患の病態解明と、それに基づく新規治療法の開発は急務である。近年、Toll様受容体に加え、C型レクチン受容体や免疫グロブリン様受容体なども自然免疫応答の重要な認識機構であること、さらに自然免疫と獲得免疫の相互作用が多くの基礎研究から明らかになってきた。本研究では、炎症性・感染性肺疾患の病態におけるC型レクチン受容体や免疫グロブリン様受容体の役割、脂質メディエーターと自然免疫の相互作用を明らかにすることを目的とした。 まず、夏型過敏性肺炎の抗原であるTrichosporon Asahiiの免疫応答を調べたが、MincleやDectin-2ではなく、これら以外の受容体を介しているもの考えられた。一方、肺非結核性抗酸菌症の原因菌であるMycobacteriumを認識するレクチン受容体を解析したところ、Dectin-2が一部のMycobacteriumの受容体として働き、特にリポアラビノマンナン(LAM)を認識することが判明した。また、LAM は樹状細胞を活性化し、免疫応答を促進させるが、Dectin-2欠損マス由来の樹状細胞ではLAMによる活性化は見られず、Dectin-2はLAMの働きを担う重要な受容体と判明した。 免疫グロブリン様受容体のリガンドの一つangiopoietin-like protein (Angptl)-“X”が、間質性肺炎などの慢性炎症性肺疾患患者の末梢血血清で増加していることを見出した。 さらに、間質性肺疾患の新規血清マーカーについてもその有用性の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性過敏性肺炎の病態を明らかにするために、夏型過敏性肺炎の抗原であるTrichosporon Asahiiを認識する受容体を検索したが、明らかにすることはできなかった。 しかし、肺非結核性抗酸菌症の原因菌を認識する受容体が判明したため、肺非結核性抗酸菌症の発症の詳細な機序について研究を進めている。 さらに、Angptl-“X”の間質性肺疾患における役割を、間質性肺疾患の患者由来サンプルや、Angptl-“X”欠損マウスの間質性肺炎モデルを用いて明らかにする。
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今後の研究の推進方策 |
各肺非結核性抗酸菌を認識する受容体Dectin-2の動態を明らかにするとともに、サイトカインの産生機序と制御機構を検討する。ヒトの末梢血から単核球を単離して、Dectin-2発現やLAMによる反応を非結核性抗酸菌症患者と健常者で比較する。 慢性炎症性肺疾患におけるAngptl-“X”の役割を、間質性肺疾患を有する患者の気管支肺胞洗浄液、Angptl-“X”の欠損マウスのブレオマイシン間質性肺炎モデルを用いて明らかにする。 さらに、間質性肺疾患の新規血清マーカーのバイオマーカーとしての有用性の検討を行う。 研究費は、動物モデルでの解析、ヒト検体の解析、および消耗品に使用する予定である。
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